ナスカの地上絵に興味を持たれた方は絵や図形を描いていったおよそ2000年前の人々がどのような生活をしていたのか気になりますよね。

ナスカまで行ったら是非立ち寄って欲しいところがあります。それはカワチ遺跡。
インディ―ンジョーンズという映画の主役俳優考古学者になったつもりでご自身の目で太古の人が残してあるものを実際見ながら想像力を働かせて感じ取って下さい。

きっと、本やガイドブックには書かれていないあなただけの発見が出来るはずです。


カワチ遺跡

[場所]アンデス山脈から太平洋に流れるナスカ川の渓谷沿いにあります。
    海から42㎞、ナスカの街から18㎞、海抜360mです。

[大きさ]24㎢

[構成]ピラミッドと四角い階段状の寺院がセットになっています
    4㎢の中央ゾーンと周りを囲むように5つの寺院があります。

[年代]ナスカ文化時代(紀元前200年~紀元後600年ごろ)

[素材]壁や階段はアドべレンガ(円錐型の日干し煉瓦)
    柱はワランゴの木

    天井はリャマの毛と綿花


使われた目的は?
おそらく宗教的な巡礼の為に作られたものではないかと言われています。
中央のピラミッドが他の5つの建造物と建て方に違いをもたらせている事から民衆全ては同じ身分ではなく、エリートとその他の民衆と言った具合に支配的な社会が出来ていたのではないかという事です。

儀式が行われた広場では上層部の人たちがネコ科の模様が織られた布を体にまとい、頭には鳥の羽根などで出来た髪飾りをつけて祈りを捧げていたのでしょう。


興味深いのはカワチの遺跡には沢山の笛や太鼓の残骸が残っている事です。
儀式には音楽が欠かせないアイテムの一つでありアンタラ・ケーナと呼ばれる管楽器を奏でたり、太鼓をボンボン叩きながら行われているセレモニーが想像つきます。
住民は近くに住んでいたわけではなく少し遠いところに居住して儀式の時になるとカワチを訪れていたこともわかります。

海からの海産物やアマゾンからの物々交換のための貿易地でもあったのではないかと考える考古学者もいます。

ピラミッドの壁にはアドべレンガが使われていますが、よく見ると両側からの階段状になっているところがあり宇宙のパワーを集めるシンボルとして使われるチャカナという十字架の半分を意識して建築されたと見てとらえることも出来ますが、どうでしょうか。



カワチ遺跡から見つかった沢山の食料
沢山のその場では取れない食料も見つかっている事から貿易が盛んであり豊富な食材があってカワチの食料貯蔵庫で管理されていたこともわかります。

・15種類の貝や4種類の魚の残骸
・ピーナッツ、種、果実、ジャガイモ、カモテ(サツマイモの1種)、豆、キャッサバ、パカエ
・ひょうたん
・クイ、リャマ
又クイというテンジクネズミに関しては生贄として神に捧げていた可能性もあります。


終わりに
さあ、あなたはカワチ遺跡からナスカのミステリーを少し紐解くことが出来ましたか。
個人的には川の近くに建てられた。というポイントでナスカに住む人々にとって何よりも水の存在が大きかったのではないかと思います。砂漠で暮らして!と言われたら真っ先に思うのは、水どうするの?ですよね。

紀元後400年ごろからエルニーニョ現象、もしくは地震、川の氾濫などによって人々は違う場所に移動していったと考えられます。

ナスカ地帯の首都として人々が集まっていたカワチが無くなり新たに違う場所で違う文化が始まっていったのでしょう。