南米ではクリスマスと新年に欠かすことが出来ないケーキ、パネトン。砂糖漬けの果実やチョコレートを混ぜドーム型にふっくらと焼き上げるお菓子です。触感が少しモチモチしたような感じで、菓子パンのような一つがとても大きく皆で切り分けて食べるのですが、クリスマスに南米で一番売れる定番スイーツになっています。

ペルーのパネトンは特にヨーロッパでも人気で沢山輸出されていて日本の店頭に並ぶほどです。パネトンの秘密に迫ってみましょう。

パネトンの歴史
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1.パネトンの起源はイタリアから
イタリアでパネットトーンと言われるお菓子は、起源もイタリアにあると言われていますが確かではありません。
ある一説によれば、1495年にクリスマスイヴに裁判所で豪華なパーティーを開いている事に始まります。シェフが様々な料理を準備していましたが、その中に見習いのトニーがいました。トニーは最後に出す巨大なケーキを焼くいているオーブンの火加減を見ることを頼まれました。しかし、他の作業で疲れ果てていたトニーは数分居眠りをしてしまいました。その間にケーキの生地は丸焦げ。。前から準備していたイースト菌も犠牲になってしまいます。

先輩のシェフと心待ちにしているお客さんの事を考えると焦がしたことを言う事が出来ませんでした。その代わりに小麦粉、卵、砂糖、レーズン、砂糖づけの果物を混ぜ即席であったもので調理しオーブンで焼いて出しました。

食べたお客さんの評判が非常に高く、トニーの成功を祝してトニパンと呼ばれました。それが後にパネトンと名前が変わりイタリア全土で広がっていきます。

1919年にミラノのパン屋のアンジェロモッタによって伝統的なレシピに酵母を加え高さがある大きなドーム型の形に変えていきます。それから20世紀初めヨーロッパに広がる人気なお菓子となっていきました。


2.19世紀終わりから南米へ
19世紀の終わりから何百万人のイタリア移民が南米に到着しました。ペルー、ウルグアイ、ブラジル、アルゼンチンに渡ったのですが、特にペルーに定住した南イタリアからの移民であるピエトロ・ドノフリオがアイスクリーム会社を設立します。
1950年代にミラノとペルーの両社で共同製造された大成功します。


3.ペルーが世界で一番パネトンを消費する国 
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ペルーでは一年で3500万個のパネトンを食べるそうです。南米でも特に消費率が多いのがペルーで年間で一人当たり1.1㎏のパネトンを食べます。その量は起源であるイタリア人の消費率を超えます。ペルーではパネトン市場の価格は2億ドルです。

2020年のクリスマスもペルーのスーパー、パンや、路上でパネトンを売る人を沢山見かけます。しかし、一切れでお砂糖18杯分のカロリーをもつとはちょっと恐ろしい。。甘さ控えめなので結構な量を食べられてしまうのですが、気を付けないといけませんね。